制御性T細胞と妊娠・出産 陣痛発来の仕組

ノーベル賞の研究対象としても注目された「制御性T細胞」は、がん免疫だけでなく、妊娠・出産にも深く関わる重要な免疫細胞です。

制御性T細胞の主な役割は、免疫の働きを適切に抑えること、いわば「免疫のブレーキ役」を担う存在です。この働きによって、体は「免疫寛容」と呼ばれる状態になります。

妊娠は、母体にとって本来は異物である存在を受け入れる、非常に特殊な現象です。胎児には父親由来の遺伝子が半分含まれているため、免疫の仕組みだけを考えれば、排除されてもおかしくありません。

しかし、ここで重要な役割を果たすのが制御性T細胞です。

制御性T細胞が免疫反応を適切に抑制することで、母体は胎児を「攻撃すべき異物」ではなく、「守るべき存在」として受け入れ、妊娠が成立します。さらに、この免疫の状態が「守る」から「攻撃」へと切り替わることが、陣痛発来のトリガーの一つになっていると考えられています。

このような免疫の仕組みについては、漫画『はたらく細胞 Lady』でも非常に分かりやすく紹介されています。興味のある方は、ぜひご覧ください。

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